ドライキャットフードを酸化させないための保存方法って?
猫を飼っている多くの飼い主さんから支持されている「ドライキャットフード」。ドライフードは賞味期限が長いことから、まとめ買いされている方も多いと思います。
ただ、「いつもと同じはずなのに食いつきが悪くなったなぁ…」と感じることはありませんか?実はそれ、ドライフードが劣化している可能性があります!
ドライフードは長時間放置しておいても見た目に変化がないことから、傷まないと思っている方もいるようですが、きちんとした保存方法を知っておかないと徐々に劣化が進んでいき、場合によっては猫の体調に悪影響を及ぼすこともあるんです。
そのため、猫の健康を守り楽しい食事にするためにも、きちんとした保存方法で管理する必要があります。
ドライキャットフードの保存方法
ドライキャットフードを与えるメリットのひとつとして、日持ちがすることが挙げられますよね。
ウエットフードの賞味期限は開封後1日程度ですが、ドライフードの場合は開封後1か月程度の賞味期限があります。開封前であれば賞味期限はもう少し長く、まとめて購入してストックしておくことも可能なので、災害時の備蓄用にも適しています。
しかし、賞味期限が長いからといって油断はできません。
開封と同時に劣化が始まるので「賞味期限はまだ先だから…」と思っていても、なるべく早めに使い切るようにしましょう。
また、ドライフードの保存方法もとても重要です。きちんとした保存方法を知ることで、劣化を最小限にとどめ最後まで美味しく食べきることが出来ます。
保管場所
劣化を最小限に留めるには、きちんとした保存方法で保管することが重要です。そこで、まずはドライフードの保管場所で気を付けたい点を以下にまとめてみました。
- 温度の変化が少ない場所
- 直射日光が避けられる場所
- 湿度を低く保てる場所
ドライフードはこれらの点に気を付けて保管するのが好ましいとされています。
適所としては床下収納や食器棚の中にスペースがあれば、そこに保管しておくといいですね。逆に避けたほうがいい場所としては、直射日光が当たる窓際、洗濯物を干して多湿になる部屋、昼夜の温度変化が激しい場所などが挙げられます。
ドライフードを保管する場所として「冷蔵庫の中は?」という声もあります。確かに冷蔵庫は食品の保存に適しているように感じますが、ドライフードの場合は冷蔵庫から出し入れする際、庫内と室温の温度差で結露が出てしまい、湿気ったりカビが発生することもあるようです。
そのため、ドライフードは冷蔵庫での保管には不向きと言えるでしょう。
ただ、冷蔵庫ではなく冷凍庫であればドライフードの保存に適していると言われています。冷凍庫で保管する際は、1食分づつ小分けにしてから冷凍庫に入れ、食べる分だけ冷蔵庫に入れてゆっくりと自然解凍してから与えるようにしましょう。
こうする事で、香りが飛ばずにキャットフードの美味しさを保てるようです。
酸化したらどうなる?
ドライフードは開封したと同時に劣化が進んでいくという話をしましたが、劣化とは具体的にどのような事なのでしょうか?
特徴としては「香りが薄くなる」「歯ごたえが悪くなる」などありますが、ドライフードの劣化で一番問題とされているのが「酸化」です。
酸化とは、ある物質が酸素と化合することをいいます。金属が錆びたり、リンゴを剥いておくと茶色く変化するのも酸化の影響です。そんな酸化したドライフードを猫が食べると、下痢や嘔吐、アレルギーの原因になると言われています。
ドライフードに多く含まれている脂質は特に酸化しやすく、サラサラのサラダ油が換気扇にこびりつく頃にはベタベタに変化するように、酸化した脂質は悪玉コレステロールとなり、猫の細い血管にこびりつき動脈硬化やガンの原因となってしまいます。
このように、酸化したドライフードは様々な病気の原因となり、猫にとって非常に良くないものだという事がわかります。
酸化させないためには
では、ドライフードをなるべく酸化させないようにするには、どのように保存すればいいのでしょうか?
ドライフードを開封したら「そのまま袋ごと置きっぱなしにしている」という飼い主さんもいると思いますが、これはお勧めできません。ドライフードは空気に触れることで酸化が進むので、なるべく空気に触れないように保存する事が重要です。
ここで具体的に、空気に触れないようにフード保存する方法をいくつかご紹介したいと思います。
真空保存する
肉や魚、野菜などを専用の袋に入れて真空保存させるグッズが売られていますよね。
ドライフードの保存にもこの真空保存が非常に有効的です!少し手間はかかりますが、1食分づつ真空保存することで空気に触れる時間を大幅に減らし、酸化を遅らせることが出来ます。
ジップロックやタッパーで小分けにする
小分けにすることで1食分づつ取り出すことができ、フード全体が空気に触れる時間を減らすことが出来ます。
ジップロックの場合はなるべく空気を抜くように閉め、タッパーの場合は大きすぎず量に合ったサイズを選ぶのがポイントです。このとき、食品乾燥材を一緒に入れておくと、より効果を発揮してくれます。
ペット専用の保存容器を利用する
ペットショップには、ペットフード専用の保存容器というものがあります。袋ごと容器に入れて密閉・遮光してくれる物や、ボタンを押すと電動で容器内の気圧を調整し真空状態にしてくれる物など、実に様々な種類の保存容器が販売されています。
特に海外で人気なのがフードディスペンサーです。密閉された容器の中にフードを入れておき、ダイヤルを回すと必要な分だけ取り出せるという物で、こちらも空気に触れる時間を最小限にとどめてくれます。
また、決まった時間に自動でフードが出てくるものもあり、仕事で帰りが遅れるときなどにも活躍できそうです。1食づつ小分けにするのが大きな負担になるという飼い主さんには、このような専用保存容器がいいかもしれません。
まとめ
ここまで、ドライキャットフードの保存方法について情報をまとめてきましたが、酸化してしまっても見た目にはわかりづらく、気づかない飼い主さんも多いかもしれません。
気づくポイントとしては、“ベタベタしている”、”匂いを嗅いだのに口を付けなかった”などがあるので、これら様子が見られた場合はすぐに破棄して新しいものを与えましょう。
猫が食べ残したからと言って、ドライフードをお皿に入れたまま1日以上放置すると確実に酸化が進みます。もしくは、残した原因がすでに酸化していたからなんてことも…。
ドライフードは完全栄養食と言われていますが、酸化して必要な栄養素が失われては意味がありません。自分にあった保存方法を見つけ、しっかりと栄養のある美味しいキャットフードを与えてあげてくださいね!